純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
木版画の彫りの話に続きまして、今度は摺りについてご紹介します。
摺り作業では、版木の凸部に絵の具を乗せて、バレンで紙にこすり付けるわけですが、ベテランの摺師が摺りますと、木版画独特の2つの特長ある摺上がりにすることができます。(下図ご参照)
ひとつは「ぼかし」で、いわゆるグラテーションです。フラットな凸部に濃淡の色を付けることにより表現します。また、それを何度もくり返し、重ね摺りをして表現したりもします。
もうひとつは「かすれ」で、この木版独特のザラザラ感は、フラットな凸部の木目によって出すこともあれば、バレンの材質、摺り方で表現することもあります。
いずれも、趣味レベルの私の腕では、ほとんどうまくゆかない、習得するに何年もの修行が必要な高度な職人技法です。
しかし、今の印刷技術、PCやプリンタを使えば、こんな絵柄は簡単にできるんじゃないの?と思われるかもしれません。
ところがですね、木版で摺った絵には、他の印刷物とは根本的に異なる相違点が生じているです。
