純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
摺師は、摺るという作業以外にもいろいろな準備作業を行っています。
まず、紙(和紙)に水分を含ませること。それは、和紙の奥深くに絵の具をしみ込ませる為に必要です。3mm厚ほどのボール板に水を含ませ、一晩置き、その板と板との間に和紙をはさみこんで水をなじませます。ただ、和紙は水を含むと拡張しますので、その伸び量が均一になるよう水分量を管理することも必要です。(図1)
そして絵の具の調合。3原色の固形顔料を調合して、すばやく目的の色合いを作り上げます。黒は固形状の墨を溶かして使います。そして色の濃さは水の量で調整します。(図2)
作った絵の具を、版木上にポンポンと軽く乗せてゆきます。それと同時に若干のでんぷん糊も乗せます。和紙上に色が付き易くする為ですが、付けすぎると木版特有のかすれ感が失せるので要注意です。また、濃度補正として水も乗せたりもします。(図3)
絵の具は、たわしのような大きさのブラシ(図4)を使って、ムラなく版木凸部全体に伸ばします。
見当に和紙をセットして摺りますが、重ね摺りの1枚目は試し摺りです。(図6)
和紙以外にも、版木も若干伸縮しますので、若干の位置ズレが生じてきます。ズレ量に相当する分を確認して、見当を調整します。見当は削ることもあれば、さし木をして増やすこともあります。(図7)
