純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
ボストン美術館では、浮世絵をはじめとする日本の芸術が、明治開国後西洋の芸術家に対して大きな影響を及ぼした、ということを力説しています。それは「ジャポニズム」と言われていますが、ゴッホ、モネ、ルノワール、セザンヌと言った印象派への影響は、日本人が考える以上に大きなものだったようです。特にゴッホなどは「私の作品はすべて日本の芸術(浮世絵)の恩恵によるもの」とまで言い切っているそうです。
具体的に浮世絵が彼にどんな影響もたらしたのでしょうか‥?
ゴッホはかつて浮世絵を模写しています。下の写真左2つがその例ですが、浮世絵のぼかし、かすれを油絵で表現しようとした努力の跡が見受けられます。浮世絵の美しさというのは、デザインだけではなく、前の説明のように、彫りと摺りと共にかもし出されるものです。才能のある彼は、その木版画に秘められた「デザインと彫りと摺りとの調和」というものを見抜いたのでしょう。彼は油絵の世界において、彼なりの調和方法を編み出してゆき、そうして彼独特の画風である「点画」というものが生み出された、と私はみています。(写真右)
