純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
浮世絵は江戸時代に作られた木版画ですが、明治以降もその高度な木版画は作られてきました。私はボストン美術館の展示からそれを教えられました。
明治以降、日本では海外からの写真技術や印刷技術によって木版画業界は衰退するのですが、そんな状況下でも浮世絵の持っている芸術性を見いだし、さらに進化させた木版画が登場してきました。それは「新版画」と呼ばれる明治末期〜昭和中期の木版画で、小林清親、橋口五葉、伊東深水、土屋光逸、川瀬巴水などの有名版画家を生み、特に近年、川瀬巴水が海外でとても人気が出て来ています。
ちなみに、あのアップルコンピュータのスティーブジョブズ(2011没)は、1984年初代マッキントッシュのCMで橋口五葉の「髪梳ける女」を映像化したことが知られています(下写真)。実は彼は新版画、特に川瀬巴水の熱烈なコレクターでもあったのです。来日した際には「川瀬巴水の風景画を全部購入したい」と大人買い?したことでも有名です。ジョブズはスマートフォン(i-Phone)などを発明した天才ですが、彼ほどの天才が、巴水の風景木版画をただ単に見ていただけとは思えません。彼は木版画にどんな何を夢みていたのでしょうか‥?とても興味深いところですよね。
