^Back To Top  トップに戻る
Slide
純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
TOP.jpg
Top_Banner_Trinistyle.jpg
08.jpg
11.jpg
07.jpg
01.jpg
03.jpg
05.jpg
06.jpg
previous arrow
next arrow

  
  

第20話

「昭和30年以降、浮世絵レベルの木版画作品が見あたらない」ということは昭和30年以降新しい作品が作られなくなった、と推測されました。新しい作品を作るうえで必要な、版元→絵師→彫師→摺師のフローが機能しなくなったことが考えられ、その理由としてまず、職人(彫師、摺師)がいなくなったのではないか?と疑いました。しかし、その後知識が増えてくると、それは誤りであり、職人は非常に数少なくなったものの、ちゃんと現存していることが分かってきました。
でも、職人はどうやって生き延びてきたのでしょうか?
それは、千社札と浮世絵の復刻版の需要があったからでした。千社札には神社仏閣に詣でた際に山門やお堂に貼りつけるお札としての白黒版、或いは、今でいう名刺代わりに使われた多色摺版がありますが、それらの文化が今でも残っているのです。また浮世絵の復刻版は、先日ご紹介した極めて精巧な復刻版作りが可能なことと、江戸時代の作品がすべて著作権フリーであることから、多くの職人の主な仕事となってきました。また、これらの作成には、必ずしも版元、絵師は必要ではなく、職人の中だけで完結できるやり易いビジネスでもあったのです。