純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
木版画の中でも伝統木版を作るのであれば、彫師、摺師がかかせませんが、いずれも少なくとも5年は修行をしなければ、仕事に就けるレベルにはなりません。そして当然そのデザインを描く絵師も必要なのですが、絵師は何年やればうまくできる、というものではありません。他の絵画の画家とも違い、木版画の特性に合う絵柄にすることも必要です。あの天才と言われる北斎でも、幼いころから絵心はありましたが、有名になる浮世絵画を描けたのは60歳を過ぎてからでした。
創作版画に中には、伝統木版を全部ひとりで作ろうとする方が稀れにみえますが、相当な年月をかけても彫師、摺師の技術をマスターするのがやっとで、絵師のデザインの域まで届いた例はまずありません。彫師、摺師でも十分難しいのですが、絵師には更に違う難しさが必要なのです。
私の趣味レベルの木版画などでは、彫りも摺りもまだまだ甘いレベルなのですが、いわんやデザインの方は、そもそも自分で作ることすら考えていません。デザイン集などから、良い絵柄を見つけては拝借させて頂いています。ただ、それですら木版画作りはとても難しいものなのです。
