純和式の畳が浮世絵の額縁になりました
現代において、版元と(木版画)絵師は瀕死状態と紹介しましたが、でも新しい木版画が全く作られていないか、というと実はそうでもありません。下の写真はその一例ですが、漫画家のキャラクターが木版化されたり、有名画家の作品が木版画化されたりしています。
しかし、漫画、アニメのキャラをそのまま使っても、キャラクター商品のひとつに成り下がるだけで、木版画アートには成り得ないと思われます。また、有名画家といっても前述の木版画が故のデザイン制約というものは分かっていないでしょうから、有名画家必ずしも木版画の名絵師とは成り得ないのです。そして、これらの作品は前述の「共振」した作品には成り得ていないと私には思えるのです。
とはいえ、芸術品の商品価格というものには「希少価値」とか「ネームバリュー」が含まれてきますので、こういった商品は商業的には成功することもあります。しかし、浮世木版としてはこのような作品作りをするつもりはありません。あくまで木版画が持つ真の芸術性を引き出してそれを商品化する、それが伝統木版の本道であり、基本的なスタンスとして考えています。
