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IWCS:国際木文化学会 (International Wood Culture Society) は、ロサンゼルスを 本拠地とする非営利団体(NPO)であり、2007年に設立して以来、木の文化の研究・ 教育.推進に重点を置き、木文化の国際シンポジウムやドキュメンタリー等の活動を 行っています。
2013年から毎年3月21日の「世界木材の日」に、”World Wood Day” と題して、 下記のような世界各地で木文化のイベントを開催してきました。

2018年:カンボジアラオスミャンマー
2017年:USAロサンゼルス
2016年:ネパール
2015年:トルコ
2014年:中国
2013年:タンザニア

IWCSは伝統木版を木文化のひとつと着眼して、2017年よりWorld Wood Dayの参加を依頼されました。下記はその参加実績の記録となります。

====第1話====

昨年のロサンゼルに続き、今年も国際木文化学会(IWCS)の招待を受けて、海外遠征をすることになりました。
行き先は、世界遺産で有名なカンボジアの「アンコールワット」です。期間は、3月19日~27日(移動日含む)、World Wood Day 2018に参加します。
今年も彫師の関岡さんと摺師の岡田さんと同行して、伝統木版の実演を行いますが、今年はIWCSから新たにスペシャルなミッションも与えられました。

====第2話====

World Wood Day(WWD) 2018のミッションコンプリートして、本日(3/27)カンボジアから無事帰国しました。
あまりに多くのことを経験し、あまりに忙しく、進捗状況をタイムリーにご紹介する時間が全然取れませんでした。しかし、すべてが事後報告とはなりますが、今回のカンボジア遠征について、以後数回に渡り、まとめて紹介してゆきたいと思います。
最初に国際木文化学会(IWCS)から、WWD2018参加の依頼があったのは、1月末でした。 昨年のイベントと同様に、彫師・摺師の実演を行うことに加えて、今回はスペシャルな取り組みとして、来客参加の体験摺りを行いたい、との依頼がありました。
というのは、カードサイズではありますが、熱田神宮の写真をトリミングして木版画用のデザイン化し、伝統木版の技法に基づいて木版画することができること をIWCSと情報共有していました。そこで今回、カンボジアのアンコールワットの写真を基にデザイン化、伝統木版画化をして、それを使って来客参加の体験 摺りを行いたい、という要望でした。
ただ、画面の大きさはB5サイズ程度と大きくなり、彫り作業費も膨らみ、また体験作業の各工程ごとに必要な専用工具、部材なども費用も必要で、それらすべてIWCSの負担にしてでもやるべき、との判断を下したのは、2月末となりました。
それから猛スピードでそれらの準備を進めましたが、素人の来客でも摺りを体験できるように、版木はシンプルな4枚構成でデザイン化し、4工程分の必要な工 具・部材もすべて準備し、4枚の版木すべてが彫り上がったのは3月18日という、出発前日のギリギリセーフとなりました。

====第3話====

滞在した Angkor Century Hotelは、とても広いホテルで、その敷地内でイベントが開催されました。ホテルのバックアップもあって、ホテル前の道路には巨大なPR看板が立ち、そ こは昨年の岡田さんのデモ写真が大きく掲載されていて、とても嬉しく思われました。(写真上)
開催前日の20日は準備Dayでしたが、大きなテントをいくつもつなぎ合わせて、その下に各ブースがあるという野外展示で、日中は35℃を越える猛暑であり、常に暑さとの戦いが始まりました。
まず、木版画は直射日光厳禁の為、当初テント縁の配置してあった我々のブースを、テント奥へと移動する配置交換を行いました。
次に職人さん作業の床の底上げをしましたが、その準備は去年とはまた別の方法で進めました。
まず、土台となる多数のレンガ(ブロック)を現地調達して、その上に乗せる板は、テーブル用の板を転用し、更にその上には、ホテルから借用したじゅうたんを敷いて完成させました。 そして、その回りにテーブルを配置して、作品の展示や摺り体験ラインを作ろうとしていたところ、突然雲行きが怪しくなってきました。雨期の前とはいえ、結構な雨が降り出したのです。
テントとテントの境で雨がボタボタと落ち、また我々のブース上で、雨水が貯まることが発覚し、水抜きを行う必要まで出てきました。(写真下)
一旦配置した部材、作品なども撤去して雨よけを行い、雨が止むのを待ちましたが、結局その気配も無く夜となり、その日の準備を断念しました。明日はオープニングセレモニーの後、開催となりますが、そのセレモニー中に抜け出して準備を進めるしかなくなってきました。

====第4話====

21日の開催日は雨も止み、オープニングセレモニーから始まりました。今年は昨年とは違い、外部の報道カメラマンがたくさん来ていました。今年は、カンボ ジアが国をあげてこのイベントを支援しているようで、国家レベルのVIPが来賓として招かれている為のようでした。とはいえ、ブースの準備が未完成である 為、我々は途中退席してイベント会場へと向かい、突貫準備を進めました。
まず、摺師の岡田さんは、体験摺りで必要となる4色の絵の具の色相・濃度を決める為、速攻で試し摺りを行いました。(写真左上)
さすが彫師の関岡さんの版木はうまくできていて、この版木で特に問題もなく摺れることも確認でき、試し摺りにしては上々の仕上がりでした。(写真中央)
各工程それそれ、絵の具、版木、ブラシ、バレン、のり、手拭き、があり、絵の具と版木のみが各工程で異なる4工程となります。(写真右上)
IWCSのマークとAngkorの文字はスタンプ対応としました。これらを最終工程(第4工程)に置き、体験者が摺り完了後、位置を自由に押せるようにしました。
岡田さんが作った各工程の絵の具、関岡さんが彫った4枚の版木を各工程に配置し、体験摺りラインが完成しました。続いて作品等の展示エリア、職人の実演エリアも完成しました。(写真下)
オープニングセレモニーが終わると続々と来客者が訪れますので、その直前になんとか準備完了し、いよいよ本格稼働が始まりました。

====第5話====

本格稼働を始めたころ、最初に何やら黒い集団が我々のブースに近寄ってきました。後で知ったのですが、それはオープニングセレモニーで報道陣が取り囲んで いたVIP、カンボジアの現文部大臣、かつてはネパールの大統領もやられていたお方が、我々のブースに来られたのでした。
そうとは知らない私は、この文部大臣に普通に、伝統木版の説明をして、今回アンコールワットの木版画が体験摺りができるようにしたことなどをお話ししてい ると、私の耳元で「Souvenir! Souvenir!」と話かける人がいました。このお方はIWCS(国際木文化学会)の統括責任者マイク・ホーさんで、何か手みやげでも差し上げてよ!と いうご要望でした。そこで、でき立ての試し摺り品で、一番良いものを大臣に差し上げて、とてもご満悦なご様子となり、よかったのですが、マイク・ホーさん もその作品を見てとても喜んで頂けました。というのはIWCSのスタンプが押されていたからです。それはIWCSのWebサイトから、こっそりロゴをダウ ンロードして、画像修正してスタンプ化したものなので、内心ヤバいかなー?と思っていたのですが、統括責任者にとても感謝されたので、結果オーライですね!(心正堂の柴田さん、ご協力ありがとうございました!!)
尚、突然の見学でしたので、写真は無いので、その時の想像図を描いてみました。(写真上) それから、ようやく一般の来客を迎えて、説明をしながら摺りの体験をしてもらいましたが、それなりにアンコールワットに仕上がると、みんな大喜びでした。
しばらくすると、また変わった集団が来ました。今度はカンボジアのテレビ局の取材でした。5つぐらいの質問を受け答えして、いろいろカメラに映像を納めていましたが、地元のテレビは見る暇もなかったので、結局どんな映像がTVで流れたかは不明です。
そんなことで、稼働初日は何か気分良く終わりましたが、でも次ぎの日からは地獄でした。文部大臣効果か地元TV効果か分かりませんが、朝からものすごい数 の来客、特に小中学生が殺到してやってきたのです。「もう全然対応し切れない!」という程の混乱状態となってしまったのです。

====第6話====

製造ラインであれば、海外問わず作業指導などは私のお家芸なのですが、この木版画の体験ラインというのは、どうもかってが違いました。製造ラインであれ ば、一度作業指導をすれば、後は製造物だけが各工程を移動してゆきますが、この体験ラインといのは、製造物(紙)が移動すると共に、作業者も各工程を移動 するのです。(写真上ご参照)
各工程すべて同じ作業内容なら最初の作業指導だけでいいのですが、工程によって一部注意すべきことが違う為、常に4工程×人数分の作業指導が必要となり、指導員が私ひとりでは、全然回らなくなってしまったのです。
また、後工程で作業指導をしていると、新しい体験者が自己流で作業を始めたりして、悲惨な仕上がり品が大量にできはじめ(写真中左)、見かねて彫師の関岡 さんが指導員をやって頂けたのですが、英語が話せないということもあって、作業内容が伝達できず、うまく回せませんでした。(写真中右)
しかし、関岡さんのお助けによって、気がつきました。要は技術うんぬんという問題ではなく、コミュニケーションが取れる人であ れば指導員になれるのです。押さえるべきことは、技術的には難しくなく、そのような木版画に設計してあるからです。そこで、私はIWCSのスタッフに応援 を依頼しました。「技術的なことは考えなくていいから、とにかく英語の話せる人を誰か出してください」とお願いしたところ、ユウ・ウェンさんというお方の お助けがありました。(写真下左)
ものの5分で彼女への指導は終わり、即、指導員として動いて頂けました。それから、ようやく上手く回るようになってきました。
指導員は、彼女以外にも何人かのスタッフになってもらいました。部長クラスの方(シャーロット・リーさん)にも楽しんで指導員となってもらいましたが、指導を実践したのは1回ぽっきりでした(写真下右)。
スタッフも忙しいので常に我々のブースに在中するこが難しく、結局はユウ・ウェンさんが一番頼もしい助っ人となりました。
そうやって、IWCSのスタッフのお助けを得ながら、体験ラインをなんとか回せるようになりましたが、更にまた新たな問題が生じてきました。あまりの来客の為、部材が枯渇してきたのです。

====第7話====

消耗品の部材は、日本からかなり多めに持って来たものの、想定外の来客の為、枯渇してきました。汎用性のあるものは、スタッフに頼めば入手可能でしたが、やっかいなのは「絵の具」でした。
本来、摺師が使う絵の具は、固形状の顔料を使いますが、海外遠征時は税関等で問題となる恐れがあり、通常の水彩絵の具を代用します。とはいえ、なるべく高 品質なポスターカラーを使います。このような物は人任せにもできない為、我々3名で枯渇した黒色の絵の具を入手すべく、夜の町へと買い出しに出かけまし た。カンボジアは貧しい国ではありますが、有名なアンコール遺跡のある近辺では、滞在しているホテル近くに夜でも賑やかな「Night Market」があります。(写真1)
ホテルからの足は「トゥクトゥク」と呼ばれる、スクーター(スーパーカブが多い)が牽引するミニタクシーを使いました。これでも最大5名まで乗車可能で、通りには頻繁に走っていて、3~5ドルで10~15分は乗車できてとても便利でした。(写真2)
ナイトマーケットには、土産屋、レストラン、バー、 雑貨店、マッサージ店、等々実に多様なお店で賑わっていて、そんな店を観光しながら、偶然にも一軒の文具屋を見つけました。(写真3、4)とてもまともな 文具屋さんで、なんとポスターカラー(黒)もしっかり売っていました。しかも4個でたったの2ドル!! 後日、使用してみますと特に問題もなく、実にお買い得な商品でした。(写真5)
文具屋で買い物を済ました後、喉が乾いた為、ヤシの実丸ごとジュース、マンゴー1個を食べました。とってもおいしくて、食あたりもしませんでしたが、それぞれ2ドル、1ドルしかしないのには驚かされました。(写真6)
また、連日のハードな立ち仕事で、足がガクガクになって、歩くのもままならない状態だった為、試しに「足マッサージ」をやってみました。両足20分でなん とたったの3ドルでしたが、マッチョなお兄さんが、足のツボや筋肉の筋など、ガンガン揉みほぐしてくれて、足の疲れが全くと言っていいほど無くなりまし た。(写真7)そしてその日以降もずっと足の疲れが出なくなって、驚異の効果が続きました。
このナイトマーケット、治安も悪くなく、驚異のコスパがありますので、暑いのを我慢すれば、とても良い観光地だと思われます。

====第8話====

足の調子は良くなり、部材にも心配がなくなり、さあ順調に体験ラインをこなせるぞ!と思ったのですが、やはり助っ人の指導員が時々いなくなると、怒濤のよ うに訪れる人々をさばき切れずに四苦八苦しました。どうみても他のブースではこんな状態ではなく、私の体験ラインだけ異常事態を生じていました。(写真 1)
一度、IWCS(国際木文化学会)の取材を受けた時に、その理由が分かった気がしました。取材をした男性自身が体験摺りを行いましたが、黒色の摺りが終 わった紙を版木から取り出す際に、わざと回りの人たちに見えるような取り出し方をしました。すると回りから「ウォー!!』という大歓声が上がりました。突然アンコールワットの精密な輪郭線が現れたからです。(写真2)
アンコールワットは、カンボジアの国旗にも描かれていて、この国の象徴でもあります。(写真3)
今回、デザインを起こす際、オーダーメイド的な発想で、カンボジアの人達が好みそうなものとして、スタッフと共にアンコールワットと決めましたが、それが見事に来訪者のツボにハマったようでした。
このように、イベント期間の5日間、最後の最後まで指導にあけくれていました。結局、何人の人達に体験して頂いたかは、正確な数は分かりませんが、使用した紙の枚数から、(廃棄した紙も多数ありますが)550~600人位になるのではないかと思われます。
イベント最終日、夕方から閉会式が予定されていましたが、スタッフから私の方に「ステージに上がってもらうので一番前に座ってください」との依頼がありま した。内心、何かもらえるのかな?とも期待しましたが、ステージに上がって頂いたものは、シルク100%のアンコールワットの絵入りスカーフと修了証書で した。(写真4~5)いずれも"特別"といえる程のものではありませんでした。そもそも、IWCSというのはNPOであり、このイベントで販売を行うこと や、特定の団体に肩入れすることも、きつい御法度としている非営利集団だからです。 でも、そうはいっても、100ヵ国以上が参加しているイベントで、ステージに上げられたのは7人だけでしたので、IWCSならではの「粋な計らい」が感じられるものでした。 私は、このスカーフと修了証書をステージ上で受け取った瞬間、『初めてのオーダーメード木版が成功した!』との確信を得たのでした。

====第9話====

今回、体験用としてオーダーメイド的にアンコールワットの木版画を作ったわけですが、当初、IWCSの担当者からの製作依頼は、体験用の木版画はできない か?という程度のかなり漠然とした依頼でした。IWCSは我々の渡航費用、準備費用をすべて負担して頂けるのに加えて、この体験用木版画の準備費用も負担するつもりで、まずは見積もりを出してもらいたい、とのことでした。
専用のバレンやブラシといった各工程で必要となる工具類に加えて、版木を新規作成とする場合(Plan-A)と、既存品を使用する場合(Plan-B)で 大きく異なり、前者は311,000円、後者は81,000円と見積りました。Plan-Aは高額な反面、イベントに応じたオリジナルなものを作れるとい う利点がありましたが、担当者からはPlan-Bについて詳しく教えて欲しいという話もあり、Plan-Bになるものだと考えていました。
ところが、出発前1ヶ月にようやく最終決定が下されましたが、その答えはなんと「Plan-A以外には考えられない」というものでした。イベントはそのお陰もあって、大盛況で終わりましたが、誰がその決定を下したのかは、最後まで疑問でした。
イベント終了の翌日、つまり帰国日でしたが、偶然ホテルのロビーでIWCS総責任者のマイク・ホーさんとお会いした。挨拶も兼ねてこの話をしをして、マイクさんがこの決定をしたのではないのかと問いただしてみました。すると答えは「YES」でした。
私はマイクさんに「オーダーメイド木版という新しい試みをさせて頂いて、とても感謝しています」と申し上げたところ、マイクさんは私とガッチリと握手をして、「その木版画で体験イベントをやってもらって、本当にありがとう!」と逆に大変感謝されました。
また今後のWorld Wood Dayについて、「来年2019年はオーストリアに決まり、再来年2020年はついに東京に決まったよ!」と喜んで話されていました。
そう、2020年は東京五輪に合わせて開催することを、前々から企画をしてたそうで、日本側とも調整を進めてついにそれが決まったそうです。このお方、只者のではないとつくづく感じました。
帰国後、その関連のWebページを見つけました。まだ、決定した段階の記事ではありませんが、日本側でも大きな組織が動いていることが分かります。マイク・ホーさんの写真も出ていますが、下記URLをご参照ください。
http://www.jpma.jp/info/170404.html

====第10話====

今年のWorld Wood Dayは75カ国、120名もの参加があったそうですが、日本からは伝統木版画以外にも、からくり工芸、ペーパークラフトの参加があり、ものづくり大学の学生の参加者もいて、皆な親しいお友達となりました。
そんな人達のブースであったり、他の国々の人達のブースも紹介したいのですが、いかんせん今回はあまりの来客で多忙を極め、他のブースの写真すら撮る余裕がありませんでした。
とはいうものの、IWCSから、とても出来栄えの良いビデオが編集されましたので、これを是非ご一見ください。
残念ながら、私のブースはパニック状態だった為かここには納められていませんが、それを除けば、このイベントがどんなものだったか、とても良く分かる大変優れたビデオに仕上がっています。
http://www.worldwoodday.org/2018/regions/Cambodia

====第11話====

5日間のイベント開催中、参加者全員でアンコールワットへ見物に行き、その近くで植樹を行うという行事がありました。
アンコールワットはカンボジアが誇る世界遺産、アンコール遺跡のひとつで、12世紀前半に30年を越える歳月を費やして建立されました。建物は無数の石レ ンガで築かれており、正方形的な敷地内に数本の高い塔が対照的に立てられていることから、東門から見た全体像と西門からみた全体像がほぼ同じように見える という不思議さがあります。(写真左上:東門より)
建物や塔の内部の多くが閲覧可能であり、サービス満点の世界遺産です。(写真右上)
今回製作した木版画は、何百点ものアンコールワットの写真の中から、これがベストというものを2つに絞り、その合成的なデザインを元に作りました。それが 実際どこから撮った写真だったのか、確認したくなりました。それは東門ではなく、西門からだということが分かり、更に細かくアングルを確認し、ついにその 撮影位置をつきとめましたが、愕然としました。
見学に行ったのは午前中であった為、東からの日差しが強く、アンコールワットは逆光となってよく見えないのです。(写真下)
もちろん、午後に来ればより良い風景が見えたのかもしれませんが、旅の都合はそうもいきません。私としては、この時間にしか来る機会はありませんでしたので、明らかに、きちんと摺った木版画の方が、現物よりずっと良かったのです。
『作った木版画が現物を越えている』という貴重な体験ができました。
ちなみに、写真中央の木版画の映像は、現地で摺ったものではなく、帰国後に摺師(岡田さん)が彼の工房で摺ったものです。というのは、現地で摺り増しした分は、うまく摺れなかった人に全部贈呈してしまった為、サンプルが1枚も残らなかったからです。
帰国後の摺り増し分は、岡田さんならではのテクニックも加えてありますので、グレードアップ版とも言えます。これを今、お世話になったIWCSのメンバー宛に台湾へ送ろうとしています。
まだまだ、話が先に続いてゆきそうですが、カンボジア遠征特集としてはこのくらいでお開きにしようと思います。長らくどうも失礼致しました。。完